半熟ドクターのジャズブログ

流浪のセッショントロンボニストが日々感じたこと

ジャズ

Who is the Best Jazz Trombonist ?

さて、一応ジャズトロンボーン奏者の最高峰というと Jay Jay Johnsonと Curtis Fullerの二人ということになっている。世間ではそうなってる。これは間違いない事実だ。ところで、三人目の男は誰か? というと これが難しいよね。 Slide Hamptonを挙げる人も…

コピーが嘘くさい――呪文の詠唱

飯田橋にて 問:ソロを吹くことになったのですが、アドリブなんて出来ません。しょうがないからCDのフレーズをコピーしたんですけれども、なんか上手く吹けないっていうか、嘘くさいんです。 どうしたらいいでしょうか。 わかる。 めっちゃわかるー。 でも、…

目次

これまでの記事のインデックスを作ってみました。 (一部重複しており、重複リンクはカッコで囲んでおきます) 一つ一つの記事がクソ重いので、タブレットかPCを推奨します。 緒言 このサイトをはじめるにあたって: - 半熟ドクターのジャズブログ(はじめに…

フロントが複数いる時のオブリガードは? (歌伴の時に 番外編)

前回、歌伴の話 https://jazz-zammai.hatenablog.jp/archive/2018/11/15 を書いたわけです。 これはこれで、もう少し具体例を提示しようと思っていたんですが、一回お休み。 フロントが二、三人いる時に、どう演奏すべきか、書いてみます。 前回の歌伴の時の…

歌伴の時に その1:

問: フロント楽器で歌の伴奏をする時の、コツや注意点はありますか? 私は、歌の伴奏をするのが大好きなんですが、歌伴には歌伴独特の美学があると思っています。 かなり優れたソリストなのに、歌伴では利己的な演奏で、歌の良さを殺してしまうような演奏を…

速いフレーズを吹くには? その4:

問い:速いフレーズを吹きたいんですけれども? その1:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/entry/2018/10/31 その2:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/archive/2018/11/01 その3:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/entry/2018/11/02の続きです。 (…

速いフレーズを吹くには? その3:

問い:速いフレーズを吹きたいんですけれども? その1:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/entry/2018/10/31/104041 その2:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/archive/2018/11/01の続きです。速いフレージングをするためには速い音が吹ける「音の精度」…

速いフレーズを吹くには? その2:

その1: https://jazz-zammai.hatenablog.jp/entry/2018/10/31/104041 の続きです。 リップスラーとタンギング、どっちが重要か? では、リップスラーとタンギングは、どちらがより重要なんでしょうか? 速いフレーズでタンギングが重要なのは、トロンボニ…

速いフレーズを吹くには? その1:

問い:速いフレーズを吹きたいんですけれども? 受験生のほとんどがもっと頭が良くなりたいと思っているように、そして女性のほとんどがもっとキレイになりたいと思っているように、ジャズ・トロンボニストのほとんどが、より速いフレーズを吹きたいと思って…

どの曲からはじめる? その4:ダイアトニックとノン・ダイアトニック

その1:どの曲から始める? その1 初学者の場合 - 半熟ドクターのジャズブログ その2:どの曲を始めるべきか? その2 レパートリーを増やす - 半熟ドクターのジャズブログ その3:どの曲からはじめる? その3:調性 - 半熟ドクターのジャズブログ の続…

どの曲からはじめる? その3:調性

その1:どの曲から始める? その1 初学者の場合 - 半熟ドクターのジャズブログ その2:どの曲を始めるべきか? その2 レパートリーを増やす - 半熟ドクターのジャズブログ の続きです。 トーナリティ−(調性) 大多数の人は、アドリブを習得する際に、 …

どの曲を始めるべきか? その2 レパートリーを増やす

これも上野の国立科学博物館のみやげですな。前回 (どの曲から始める? その1 初学者の場合 - 半熟ドクターのジャズブログ )の続きです。 レパートリーを増やす: さて、初学の段階では、前回上述したように一曲一曲こなしていくわけですが「一つの曲をしゃ…

どの曲から始める? その1 初学者の場合

ええと、この前の昆虫展で買いました。メガネ置き。めっちゃ不便です。かわいいですけど。(2007年くらいに書いた記事をRefineしています。) 問:コンボの曲をやってみようと思います。 ただ、どの曲をしたらいいのか、よくわかりません。 先輩に訊いたら「簡…

記譜について その2

問い:小節数が半端な曲のコピーはどういう風に書いたらいいんでしょうか? はい、結構微妙な問題ですね。 その1で私は「コピーの際の小節は4つ割にせよ」というアドバイスをしました*1 半端っぷりにもよるし、 楽譜を書く対象にもよる、 最終的にはケース…

記譜について:

問い:Jazz始めたんですけど、楽譜って自分で書くんですねぇ。びっくりしました。 何か注意事項ありますか? はい。コンボやセッションで「この曲やりたいでーす」ともってくる譜面は、メロディーとコードの書いてある、いわゆる「Leadsheet」と言われるもの…

上達する意味とは その2

前回(上達の意味とは その1 - 半熟ドクターのジャズブログ)の続きです。 問い:大学のビッグバンドに所属しています。 同級生には「プロになる」と息巻いている人もいます。 正直にいうと、私にはそこまでの覚悟はありませんし、それなりの大学に入ったん…

上達の意味とは その1

問い:大学のビッグバンドに所属しています。 同級生には「プロになる」と息巻いている人もいます。 正直にいうと、私にはそこまでの覚悟はありませんし、それなりの大学に入ったんだし、将来はそれなりに就職をするんじゃないかと思います。 つまり、今は本…

練習と貯金 その2

練習と貯金 - 半熟ドクターのジャズブログ 練習と貯金 その2 - 半熟ドクターのジャズブログ ←(Now) 幸福とはなにか?不幸とは? おそらく幸福か不幸は、「お金」=技量の絶対量ではなく、収入と支出のバランスがどれだけ均衡しているかによるのではないか…

練習と貯金 その1

(この原稿も2006年初稿を書き直したものです) 練習と貯金 - 半熟ドクターのジャズブログ ←(Now) 練習と貯金 その2 - 半熟ドクターのジャズブログ 大学生の時、いわゆるジャズ研*1に所属していた。結果的に7年も在籍したせいで後輩や先輩の成長、失敗、…

「即興」の意味

(この記事も過去記事の再掲です。初出2006) 問: ジャズの人は「アドリブ」に対してすごく価値をおいていますけど、正直言ってよくわかりません。 最高級に完成されたソロがもしあれば、それはもういじりようがないはずです。毎回アドリブで、違ったソロを…

ジャズの理論とは

(この記事は過去記事の再掲です。2006年) 問い:ジャズのアドリブをするためには理論がどうのこうのとよく言います。だけど、本によって言ってることが全然違ったり、理論だけでは説明できないとか、理論を外れなければならないとか、はっきりいってわけわ…

ヒノテル問題の私感

私の立ち位置は、地方の中級アマチュアミュージシャン。プロとは時々絡んで演奏をします。日野さんとは地方のホールコンサートのあと地元に立ち寄ったアフターセッションで一緒に演奏させていただいたこともありました。COI(利益相反)はありません。 結論…

アドリブの構成力と一発力

アドリブってどうやるの?という後輩からの問いに対して、今まで自分なりに自分の方法論を伝えたりした時期もありましたが、ここにきて、大きな要素を見落としていたことに気が付いた。 自分は昔コード感を出したメロディメイクがきわめて苦手だった。音感の…

ジャズが好きなのかなあ

気がつくと25年ばかりジャズをやっているわけです。セッションに行ったり、ライブやったり、たまにはビッグバンドをやったりなんですけれども、やればやるほど「ジャズ」という言葉に内包される音楽の境界というのはわからない。 どんな領域のことでもそうだ…

バランス感覚

バンドメンバーがこの前結婚したわけさ。 で、スピーチってほどではないんですが、なんかしゃべらなあかんかったので、その際に色々考えたことを、ここに書いてみようと思う。 おめでとうU君。 * * 結婚したメンバーはだいぶ歳の若いピアニスト。 学生時代…

私たちが楽器が上手くなる理由には2つあってだな その2

前回エントリーhttp://jazz.g.hatena.ne.jp/hanjukudoctor151017では、人が音楽を続けていくには、きれいな理由だけではないということを書きました。 その人がいかに音楽が好きで音楽にコミットしてゆくかというまっとうな「白理由」の他に、音楽以外の部分…

私たちが楽器が上手くなる理由には2つあってだな

今回のはあまり生産的な話ではないです。 学生であれ、社会人であれ、プロであれアマチュアであれ、音楽を続けることによって経験は積まれてゆき、程度の差はあれ、それなりに習熟してゆく。 不思議なことに、コンスタントに続けていても、上達は均等に起こ…

呼吸の話

管楽器の呼吸の話はいろんな人が書いている。本でも、ネット上でも、沢山の情報に接することができる。 長らく管楽器をさわっている自分は、こういう情報にとかく辟易としていて、あまり重視してなかった。呼吸に関しては漫然と行い、それでよしと考えていた…

楽器の技量と音楽の技量と

この前に書いたことと、一部似ているけれど。 そんなわけで、楽器の技量と演奏のパフォーマンスは必ずしも平行しない。 楽器がうまければ使用する引き出しも多く、サウンドをカラフルにすることはできるが、どうしてもおさえるべき部分は、ある種の覚悟のよ…

楽器のうまい下手、アマとプロの汽水域にいる話

ちょっと前にTwitterでも書いていましたが。 私は、昼間は普通の仕事をしているのですが、趣味としてジャズをやっております。 アマチュアのジャズミュージシャンの実力としては、どれくらいのポジションにあるか?というのは、なかなか難しいよなあと思いま…