半熟ドクターのジャズブログ

流浪のセッショントロンボニストが日々感じたこと

曲をこなせるようになる、というのはどういうことか考えてみた。

曲ができる、というのはどういうことだろうか。

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 ジャズマンは、スタンダードな曲は、曲名さえ提示されれば、すました顔をして弾きこなす、というイメージがある。もちろんそうでなくてはいけない。

 だけど、テイクゼロですっとあわせて、乱れなく演奏を収束できることは、その曲をわかっていることの必要条件でも十分条件でもないように思う。器楽演奏の実力と、曲についてよく知っているということは、パラレルではない。知らなくても、曲は吹けるということだ。

 知らなくても曲が吹けるということはそれはそれで大事だ。これはジャズ特有のスキルだと思うが、それを重視するあまり、ジャズの修練の初期から中期にのある時期には、曲への本格的な取り組みもしくは掘り下げを軽視する弊害を、時に生む。

 僕にも若干そのような傾向がある。

 でも、どんな曲でも初見で弾きこなす、ソロを吹けるというのはとても大事なことだけれども、ちょっと立ち止まって、曲そのものを深く掘り下げてみることも、やっぱり大事なことだ。

 テイクゼロで演奏して、それっきり。

 その繰り返しでは、深みがでない。

 そこで、自戒とともに、これからは意識して段階を踏んで曲を深く掘り下げていこうと思う。好きな曲なら、「そこまで?」と言われるくらいしゃぶらないといけないよね。

趣味だって勉強です。それにこういうことをずっとやっていたら、一生楽しく過ごせるでしょう?


今の段階で、そういう曲の理解のロードマップを示してみた。これは、すでにある程度親しんでいる曲についてのアプローチを参考にしたものだ。

  • まずは最低限:
    • 曲のメロディーを吹ける
    • 曲のコードがわかっている
    • アドリブソロができる。
  • 練習するとすれば、
    • メロディーをAny Keyで練習する。

 ここで大事なのは、元のキーは勿論のことだが、すべてのキーで演奏することによって、メロディーが体に馴染むことだ。曲を移動ドで理解するのが難しい場合、こういうアプローチを取レバ、いやでも移動ド的考え方を取らざるを得なくなる。また、自分の楽器にとっての最適な音域は、このとききちんと認識しておく。

    • 伴奏をコード楽器でつけることができる。
    • リハモパターンをいくつか用意しておく。
    • イントロ・エンディングを数種類想定する。
    • 歌詞のある曲なら、歌詞を覚える。もしくは理解する。
  • 研究するとすれば、
    • 他の人がやっているバージョンを幾種類か聞いて、アドリブの採譜&アナリゼをやってみる。できれば、いろいろなテンポでやっているものが望ましい。
    • テーマの歌い方と歌詞のシラブルを研究する。
    • ボーカルの歌い方を丁寧に再現する。
    • 曲の生み出された背景などを研究する。