半熟ドクターのジャズブログ

流浪のセッショントロンボニストが日々感じたこと

”Sweet Memories”

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すっかり寒くなりましたね。息抜きの話をします。

 私はカラオケなどでは昭和歌謡を好んで歌うのですが (イマドキよくある、譜割りが複雑な歌を歌うと、思っていた以上に歌えなくて、我ながらがっかりします。頭の中がイマドキ仕様になっていないんですよ)

少し前から 松田聖子の ”Sweet Memories” をよく歌います。

ええ、歌詞がしみるんですよ。

この曲のコード進行は、非常にシンプルながら、おもむきがあります。

AメロBメロとも同じで、基本的には目立ったTonal Changeもないのですが、

AメロにはSubdominant Minorが印象的に使われています。また、

Bメロの歌い出しは I - Iaug - VIm- のクリシェラインが メロディーラインの基本線となっています。このオーギュメントがいいんですよね。

ただ、歌うときにこのオーギュメントを必要以上に強調すると、もったいぶっているようにきこえる。あくまでピッと切って、しかも音程は完璧、といきたいものですが…

この程度のNon-Diatonicコードは、ジャズでは主調内に含めて差し支えない程度のものです。少しひねりのあるOne Tonal Tuneと考えていいと思う。

だから、例えばAny Keyで ピアノで弾いてみたり、アドリブを考えたりするにはちょうどいい。

Any Keyの練習の入門編にするにはちょうどいい曲ですね。ジャズコード、ジャズボイシングも無理がありません。メロディーとぶつからないようにDiatonicコードをドミナントに変えたり、代理コードに変えたりして遊ぶのにもちょうどいい。

だから最近は家でポロポロとこの曲を弾いています。飽きるまで。4度進行で転調してゆくと、やっぱりフラットからぼちぼち回転させてシャープ系のあたりは、まだキツいんです僕。ジャズやってて20年経つのに…

ちなみに、職場の同期のS藤先生は、僕が歌っていると「お前ら知ってるか?あのペンギンのCMを?」と 若い子にからむのですが、そんなん知ってるわけねーじゃんかよ!昭和はもう終わってんだよ!と僕は言いたい。

一応あげておきます。これです。若い子はしったかぶりをするように。

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