半熟ドクターのジャズブログ

流浪のセッショントロンボニストが日々感じたこと

レッスン、そしてセッション。

山口真文さん(6/19)、鈴木央紹さん(6/6)、浜崎航さん(6/30)そして、青柳誠さん、小池修さん、納浩一さん(7/1)。

一か月の間にこれだけの人達が来店するというのは、よく考えたらすごいことですよ。地方都市の福山で。

6/6日には鈴木央紹さん+アダム バーンバウムさんのライブがありました(このときはセッションはしませんでしたが、ものすごく考えさせられる、教えられることの多いライブでした)。

6/19にはこのへんのビッグバンドのイベントがあり、ゲストに山口真文さんがいらして、終わった後セッションさせていただきました。

6/29に浜崎さんのレッスンがあり、6/30もDuoでセッションをさせていただきました。

7/1はEQのライブがあり、終わったメンバーがDuoへ。

 セッションさせていただいたり、おはなしさせていただいたり。

 正直にいうと、去年くらいまでは、自分のアドリブソロのゴールというのはまあ大体こんなとこかな、アマチュアだったら、大体こんなもんなんだろうという考えでいたわけなんです。

 で、いうたら、コード進行にはまっているのははまっているんだけど、それだけのソロなんです。

 まあ、それはそれで、一つの重要な到達地点だとは思いますが。

 ただ、鈴木央紹さんのライブを聴いた後あたりから、ソロイングを根本的に考えなおしてみようと思いました。

 あとは、テーマの吹き方とか、イメージの持ち方とか。言葉ではなかなか伝わらないものは、やはり生演奏で感じるのが一番だと思いました。

 あと、ピアノもしくはギターとのDuoという形式の可能性について、いろいろなCDを聴き直してみました。もちろん師匠の浜崎さんのPhilip StrangeさんとのDuo Albumも含めて。

 でも、久しぶりに聴いて、一番がつんとやられたのは、Jim Hall/Bill Evans Undercurrentでした。

 今回自分の中の希求度が高いので、集中して聴いてるんでしょうけど、なんだあれ。すんげーわ。

 Bill Evansって、聴きこんでいくにつれ、どんどんSolid な面がみえてきますね。ロマンティックで初心者向けなんて、誰が言うたんや、て感じで。人生何度か目のBill Evansショックです。

 浜崎さんにもレッスンでそういうアドバイスをいただき、これからまた取り組んでみようと思います。(怪我してちょっとお休みですが)

 短期的にはむしろ訥々としてしまうでしょうが、10年くらいかけて、いいソロが吹ける人間になりたい。

 

 うまいソロ、間違ってないソロ、というのではなく、いい、ソロを。


 あとは、テーマの吹き方ですね。ソロで、「うわーっ」て感動する部分もありますが、やっぱりテーマの吹き方は、自分は全然ダメ(むしろ並以下)なので、これがよくなると、きっとすごく楽しいでしょうね。

 あー、ダメだ。

 今までの自分をなかった事にしたい。

 客観的にみると、僕も2,3年前に比べると明らかによくはなってます。うまくなってるんじゃないかなと自分でも思ってるんですけど(そうでもない?皆などう思う?)、一緒にする人がすごすぎて、主観的にはぜんぜんよくなったと感じられませんのです。いや、卑下しているわけでもなく。

 最近鬼平犯科帳を病床で読んでいたのですが、

 長谷川平蔵が剣術のことを述懐するくだりがありまして

が、おもしろくなって壁へ突き当たり、苦闘のうちに、おのれよりも強く大きい相手を何人も打ち倒せるようになるまでは、まだ到達していない軍兵衛であった。

そこまで行き着くと、またおもしろくなってくる。それからまた壁へ突き当たる。こうして何度も何度も一つ一つの壁を乗り越えてゆくとおのれが強いのだか弱いのだかわからなくなってくる。そのときにおのれの剣術もようやく本物になるのだ

――鬼平犯科帳(12)

 多分そういうことなんだよね。