半熟ドクターのジャズブログ

流浪のセッショントロンボニストが日々感じたこと

ジャズ

トロンボーンのテクニック水準:

ついこの間、2019年の時点のジャズトロンボーンの地平を改めて見渡してみた。テクニック路線の人たちのテクニック、僕が以前に思っていたよりも著しく向上しているように思う。* * *昔は、スラスラ系といえば古くはUrbie Green、その後 Bill WatrousとかC…

成長のロードマップ

アドリブフレーズの習得に際して: ジャズのフレージングについては、どの段階から始めてもいいと思います。 しかし初学で修めるべきことを積み残し次の段階に進むと、遡ってあとでもう一度やる必要があり、あまり効率がよくないことも確かです。 成長の階段…

セッションにはいくべきなのか? その2

前回の続きです。 jazz-zammai.hatenablog.jpその1公開のあと、色々友人の皆さんに意見をいただきました。その1では、独習のアドリブに関する成長、という話に限定していました。 しかしセッションにはそれ以外にもいろいろな効用がある、ということを再確…

フレーズの技巧について To use too much technique for phrasing

よくできた恋愛ものの映画を考えてみよう。 フランス映画のような奴をね。 バーで・街角で、花屋の店先で。 男と女はいろんな言葉のやりとり、恋の駆け引きを繰り返す。 研いだばかりのナイフのような鋭い言葉、 もぎたてのトマトのようなみずみずしい言葉、…

セッションには行くべきなのか? その1

問:ジャムセッションにはどんどん参加した方がいいんでしょうか? 先生に習っているある人の話です。 ある先生は「コピーしてそれをセッションに吹きに行くのは意味がない。わかってない状態でセッションに行っても技術は向上しない」と、セッションに出て…

アドリブをするときに気をつけなければいけないこと

裏山。2019年。 どうやってアドリブを吹くのですか? もしくは、アドリブを演奏する際に気をつけることはなんでしょうか? めっちゃ身も蓋もない質問です。 気をつけることは多岐に渡り、その優先順位の付け方こそが、各人のアドリブの持ち味になっているよ…

ピッチの話 その3 場末での話

前回の続きです。 jazz-zammai.hatenablog.jp jazz-zammai.hatenablog.jp 場末の話 ともあれ、かような歴史的で偉大なバンドにおいて、ピッチは相対的で深遠なものではある*1。 しかしアマチュアが普段場末のセッションで演奏する場合は、そういう深遠な話以…

ピッチの話 その2―ロン・カーター。音程の多義性。

積丹半島だと思う。2006年くらい。前回の続きです。 jazz-zammai.hatenablog.jp マイルス・スマイルズ 話を個人のレベルに落とすが、ロンカーターである。 ロンカーター、昔の僕は、単に「ピッチ悪いやつだな」と思っていた。 びよんびよん曖昧なビートで曖…

ピッチの話 その1 ピッチの意味論

最近の僕にとって*1、音程に悩むのは以前ほどではなくなった。楽器を始めた学生の頃は僕はあまりピッチがよくなかった。 だが、中学生・高校生、そして大学一年生くらいまで、 今思うと、ピッチが悪いころは、実に「ピッチが悪い」ということさえもわからな…

吹奏楽の桎梏〜ブラバン出身プチ侍の行く末 その2

問い:中学・高校はブラスバンドでした。大学に入ってジャズがしたくてジャズのクラブに入りましたが、アドリブがよくわかりません。 どうしたらいいでしょうか? 前回の続きです。 jazz-zammai.hatenablog.jp アドリブをするにはどうしたらいいかという話で…

吹奏楽の桎梏〜ブラバン出身プチ侍の行く末 その1

問い:中学・高校はブラスバンドでした。大学に入ってジャズがしたくてジャズのクラブに入りましたが、アドリブがよくわかりません。 どうしたらいいでしょうか? という身も蓋もない仮想質問を考えてみました。 このような疑問を持っている人は*1、全国に1…

コードの理解 その5:まとめ

さて、1〜4まで、コード進行についてつらつら述べてきました。 といっても、コード進行の「あり方」というものを示しただけです。眺め方、とでもいいましょうかね。 理論的な飛躍 本来、「ドミナント(V)」→「トニック(I)」の解決感は、一つの調性の中…

コードの理解 その4:ドミナント・モーション

前回の続きです。 jazz-zammai.hatenablog.jp はい。前回のおさらいですね。 Bop-Idiomでは、フレーズのとっかかりを作るために、コード・チェンジを増やします 結果的にはコード進行が細かく複雑になります Bop-Idiomにおいてはコード進行が細かく変化する…

コードの理解 その3:コードを複雑にする理由

なぜジャズのコードは複雑なのか? 前回では、 複雑なコード進行は単純なコード進行(大まかな流れ)を元に作られている。 ジャズではコード進行を複雑化する傾向がある。 と書きました。 jazz-zammai.hatenablog.jpではなぜ、ジャズではコードをちょこちょこ…

コードの理解 その2:圧縮・展開について

ブルース形式というのがあります。多くはワンコーラス12小節で、ロックからR&B、ブルース、ジャズ問わず広く演奏される曲の一形式です。 ジャズでは管楽器がBb/Eb管であることから、フラットの調(FかBb)が好んで演奏されます。 もちろんそれ以外のキーもたく…

コードの理解 その1:アベイラブル・ノートスケールの陥穽

問:アドリブが吹きたくていろいろやっているんですが、今ひとつです。コードが、よくわからないんです。 うん、僕もコードは、よくわかりません。 終わり。 うそ。コード、と一括りにするのは大変危険なことです。 現在の商業音楽の大多数はコードを元に構…

記譜について その3

島根の病院に赴任していた時の官舎の庭です。2000年撮影。 問い:私はトロンボーンなんですが、アドリブのコピーの時の記譜のコツ、ありますか? 楽譜を書く必要に迫られるのは次のような場合です。 レコード・テープ、CD/MDなどから耳に聴いたテーマやアド…

音感の確認 Troubleshooting for Improvisation

前回 絶対音感・相対音感の話を書きました。もしアドリブができないのが悩みならば、 音感に問題がある場合は、原因を要素還元して解決できるかもしれない。 インプロヴィゼーションが演奏されるまで 我々は楽器をもって即興演奏を行う際に、脳内で以下の思…

絶対音感と相対音感―Absolute pitch and Relative pitch

問:よく「私絶対音感だから…」とか「音感がないからなあ…」という話をすることがあります。楽器を演奏する者同士、そういう話しますよね。 ところで、ジャズするには音感、やっぱり必要なんでしょうか。 絶対音感とか相対音感とか、よく言いますよね。 詳し…

Who is the Best Jazz Trombonist ?

さて、一応ジャズトロンボーン奏者の最高峰というと Jay Jay Johnsonと Curtis Fullerの二人ということになっている。世間ではそうなってる。これは間違いない事実だ。ところで、三人目の男は誰か? というと これが難しいよね。 Slide Hamptonを挙げる人も…

コピーが嘘くさい――呪文の詠唱

飯田橋にて 問:ソロを吹くことになったのですが、アドリブなんて出来ません。しょうがないからCDのフレーズをコピーしたんですけれども、なんか上手く吹けないっていうか、嘘くさいんです。 どうしたらいいでしょうか。 わかる。 めっちゃわかるー。 でも、…

目次

これまでの記事のインデックスを作ってみました。 緒言 このサイトをはじめるにあたって: - 半熟ドクターのジャズブログ(はじめに) アドリブについて、演奏について ジャズの演奏やアドリブについて、セッションの現場で感じたことなど。 総論 ジャズの理…

フロントが複数いる時のオブリガードは? (歌伴の時に 番外編)

前回、歌伴の話 https://jazz-zammai.hatenablog.jp/archive/2018/11/15 を書いたわけです。 これはこれで、もう少し具体例を提示しようと思っていたんですが、一回お休み。 フロントが二、三人いる時に、どう演奏すべきか、書いてみます。 前回の歌伴の時の…

歌伴の時に その1:

問: フロント楽器で歌の伴奏をする時の、コツや注意点はありますか? 私は、歌の伴奏をするのが大好きなんですが、歌伴には歌伴独特の美学があると思っています。 かなり優れたソリストなのに、歌伴では利己的な演奏で、歌の良さを殺してしまうような演奏を…

速いフレーズを吹くには? その4:

問い:速いフレーズを吹きたいんですけれども? その1:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/entry/2018/10/31 その2:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/archive/2018/11/01 その3:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/entry/2018/11/02の続きです。 (…

速いフレーズを吹くには? その3:

問い:速いフレーズを吹きたいんですけれども? その1:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/entry/2018/10/31/104041 その2:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/archive/2018/11/01の続きです。速いフレージングをするためには速い音が吹ける「音の精度」…

速いフレーズを吹くには? その2:

その1: https://jazz-zammai.hatenablog.jp/entry/2018/10/31/104041 の続きです。 リップスラーとタンギング、どっちが重要か? では、リップスラーとタンギングは、どちらがより重要なんでしょうか? 速いフレーズでタンギングが重要なのは、トロンボニ…

速いフレーズを吹くには? その1:

問い:速いフレーズを吹きたいんですけれども? 受験生のほとんどがもっと頭が良くなりたいと思っているように、そして女性のほとんどがもっとキレイになりたいと思っているように、ジャズ・トロンボニストのほとんどが、より速いフレーズを吹きたいと思って…

どの曲からはじめる? その4:ダイアトニックとノン・ダイアトニック

その1:どの曲から始める? その1 初学者の場合 - 半熟ドクターのジャズブログ その2:どの曲を始めるべきか? その2 レパートリーを増やす - 半熟ドクターのジャズブログ その3:どの曲からはじめる? その3:調性 - 半熟ドクターのジャズブログ の続…

どの曲からはじめる? その3:調性

その1:どの曲から始める? その1 初学者の場合 - 半熟ドクターのジャズブログ その2:どの曲を始めるべきか? その2 レパートリーを増やす - 半熟ドクターのジャズブログ の続きです。 トーナリティ−(調性) 大多数の人は、アドリブを習得する際に、 …