半熟ドクターのジャズブログ

流浪のセッショントロンボニストが日々感じたこと

セッションにはいくべきなのか? その2

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前回の続きです。
jazz-zammai.hatenablog.jp

その1公開のあと、色々友人の皆さんに意見をいただきました。

その1では、とりあえず、独習のアドリブソロに関する成長という視点に限った話だったわけですが、
やはり、セッションにはそれ以外にもいろいろな効用がある、ということを再確認しました。

セッションはアンサンブルの練習の機会である

フロント楽器は特にですが、練習は家やスタジオなどの場所で、独りで行うことが多いものです。
その時は、アカペラで楽器を吹くか、メトロノームでリズムをキープするか、マイナスワンのバックトラックを流すか、いろいろでしょうが、基本的には独り。
しかし、他の人と合わせることは、それとは全く別の行為です。
どのように合わせるか、リズムセクションとどのように合わせて演奏するかは、実際に合わせてみないと勘所がわからない。

ジャズで必要なのは、独語ではなく、会話です。
もちろん、きちんと会話をするためには、独習が不可欠です。それが練習ですよね。
でもそもそも会話をしないと会話はうまくなりません。

誰かに師事している場合でも、先生と演奏するっつっても、二人ですからね。
複数の人数が同時に音を出している場での経験は、また別に積まなければいけない。
バンドを組んでやればいいけど、初心者同士で組む場合、誰もあるべきサウンドの形をわかっていないから、必要なエッセンスが得られない、なんてこともよくあります。

その点、セッションなら、ホストは中級者以上の人がやっているので、アンサンブルの質は最低限保証できます。

セッションでの演奏は、個人練習が主な人にとっては、貴重な経験になります。
セッションで得られる環境を独力で達成するには、結構な人脈とお金がかかりますからね。
セッションはもっともコストパフォーマンスにすぐれたアンサンブルの場だといえましょう。

セッションは即興のアンサンブルの中で起こるさまざまな不確定要素を察知し、修正する経験を得る場所である

グループレッスンで、キメキメのバンド演奏をやる、というパターンはともかく、セッションでは多くの場合その場でメンバーを決め、構成などもその場限りで決定されることになります。*1
ある程度不確定要素をはらんだまま漕ぎだす、というのはジャムセッションにおいては、当たり前のことです。

普通のジャンルのバンドだと、そういう不確定要素は練習を繰り返してつぶしてゆくのが普通です。
しかし、ジャムセッションにおいては、一度きりなので、そういうアプローチはできない。

ではどうするか?
基本的には、不確定要素を出さないようにすること、共演するミュージシャンに自分の意思を伝えるようにすることです。これも一見難しいように見えますが、慣れでなんとかなります。
また、他の人が撹乱してしまった場合に、事態を収拾する力を身に着けることです。
優れたジャズミュージシャンは、自分以外の人が予想外の音を出しても動ずることがなく、その人に寄り添いつつ、自分求めている音へ近づけてゆくコントロール能力を有しています。
ラリードライバーのように、路面がどうであろうと、車をコントロールすることができる。
こういう能力は、ある種の瞬発力だと思いますが、やはり不確定要素がある演奏場面で培うしかないわけです。
このあたりの機微も大変面白い話ですから、機会があれば、また別項でとりあげてみましょう。 

セッションは仲間を見つける場所である。

ジャズにおいて、バンドメンバーをさがすのにはどうしたらいいでしょうか?
ロック・ポップスだったら、ライブハウスで「メンバー募集!」みたいなのが壁に貼ってあったりします。
それをみて、電話かメールして、みたいな感じだと思いますが、
ジャズでは、そもそも「バンド」という形をとることが少ない。
個人で動いている人がほとんどで、「バンド」単位での動きはあまりないですね。
ではどうやって共演者をピックアップするのはどこか、というと、やっぱり多くはセッションなんですね。

だから、セッションにはドラクエでいう『ルイーダの酒場』みたいな役割もあります。
卒業して、もしくは転勤で今まで住んでいたところから離れてしまった場合、セッションなどに顔をだして、自分にあう実力の人と知り合う。何度かセッションでご一緒して気が合えば、単独のライブのサイドメンという形でお声がかかるかもしれませんね。
また、随分昔に共演したことある人と、別の場所のセッションでたまたま出会ったりすることもあります。
こういうのもセッションの醍醐味ですね。

*1:初心者で、そういう構成変更への対応力がない場合は、ご自分で指定して他の方に合わせてもらうことになります。別にすべての曲でそういうことをしなければ、問題ないはずです