半熟ドクターのジャズブログ

流浪のセッショントロンボニストが日々感じたこと

アドリブの方法論

フレーズの技巧について To use too much technique for phrasing

よくできた恋愛ものの映画を考えてみよう。 フランス映画のような奴をね。 バーで・街角で、花屋の店先で。 男と女はいろんな言葉のやりとり、恋の駆け引きを繰り返す。 研いだばかりのナイフのような鋭い言葉、 もぎたてのトマトのようなみずみずしい言葉、…

アドリブをするときに気をつけなければいけないこと

裏山。2019年。 どうやってアドリブを吹くのですか? もしくは、アドリブを演奏する際に気をつけることはなんでしょうか? めっちゃ身も蓋もない質問です。 気をつけることはとても沢山ありますし、それこそが、各人のアドリブの持ち味になっているようにも…

コードの理解 その5:まとめ

さて、1〜4まで、コード進行についてつらつら述べてきました。 といっても、コード進行の「あり方」というものを示しただけです。眺め方、とでもいいましょうかね。 理論的な飛躍 本来、「ドミナント(V)」→「トニック(I)」の解決感は、一つの調性の中…

コードの理解 その4:ドミナント・モーション

前回の続きです。 jazz-zammai.hatenablog.jp はい。前回のおさらいですね。 Bop-Idiomでは、フレーズのとっかかりを作るために、コード・チェンジを増やします 結果的にはコード進行が細かく複雑になります Bop-Idiomにおいてはコード進行が細かく変化する…

コードの理解 その3:コードを複雑にする理由

なぜジャズのコードは複雑なのか? 前回では、 複雑なコード進行は単純なコード進行(大まかな流れ)を元に作られている。 ジャズではコード進行を複雑化する傾向がある。 と書きました。 jazz-zammai.hatenablog.jpではなぜ、ジャズではコードをちょこちょこ…

コードの理解 その2:圧縮・展開について

ブルース形式というのがあります。多くはワンコーラス12小節で、ロックからR&B、ブルース、ジャズ問わず広く演奏される曲の一形式です。 ジャズでは管楽器がBb/Eb管であることから、フラットの調(FかBb)が好んで演奏されます。 もちろんそれ以外のキーもたく…

コードの理解 その1:アベイラブル・ノートスケールの陥穽

問:アドリブが吹きたくていろいろやっているんですが、今ひとつです。コードが、よくわからないんです。 うん、僕もコードは、よくわかりません。 終わり。 うそ。コード、と一括りにするのは大変危険なことです。 現在の商業音楽の大多数はコードを元に構…

音感の確認 Troubleshooting for Improvisation

前回 絶対音感・相対音感の話を書きました。もしアドリブができないのが悩みならば、 音感に問題がある場合は、原因を要素還元して解決できるかもしれない。 インプロヴィゼーションが演奏されるまで 我々は楽器をもって即興演奏を行う際に、脳内で以下の思…

絶対音感と相対音感―Absolute pitch and Relative pitch

問:よく「私絶対音感だから…」とか「音感がないからなあ…」という話をすることがあります。楽器を演奏する者同士、そういう話しますよね。 ところで、ジャズするには音感、やっぱり必要なんでしょうか。 絶対音感とか相対音感とか、よく言いますよね。 詳し…

コピーが嘘くさい――呪文の詠唱

飯田橋にて 問:ソロを吹くことになったのですが、アドリブなんて出来ません。しょうがないからCDのフレーズをコピーしたんですけれども、なんか上手く吹けないっていうか、嘘くさいんです。 どうしたらいいでしょうか。 わかる。 めっちゃわかるー。 でも、…

目次

これまでの記事のインデックスを作ってみました。 緒言 このサイトをはじめるにあたって: - 半熟ドクターのジャズブログ(はじめに) アドリブについて、演奏について ジャズの演奏やアドリブについて、セッションの現場で感じたことなど。 総論 ジャズの理…

フロントが複数いる時のオブリガードは? (歌伴の時に 番外編)

前回、歌伴の話 https://jazz-zammai.hatenablog.jp/archive/2018/11/15 を書いたわけです。 これはこれで、もう少し具体例を提示しようと思っていたんですが、一回お休み。 フロントが二、三人いる時に、どう演奏すべきか、書いてみます。 前回の歌伴の時の…

歌伴の時に その1:

問: フロント楽器で歌の伴奏をする時の、コツや注意点はありますか? 私は、歌の伴奏をするのが大好きなんですが、歌伴には歌伴独特の美学があると思っています。 かなり優れたソリストなのに、歌伴では利己的な演奏で、歌の良さを殺してしまうような演奏を…

どの曲からはじめる? その4:ダイアトニックとノン・ダイアトニック

その1:どの曲から始める? その1 初学者の場合 - 半熟ドクターのジャズブログ その2:どの曲を始めるべきか? その2 レパートリーを増やす - 半熟ドクターのジャズブログ その3:どの曲からはじめる? その3:調性 - 半熟ドクターのジャズブログ の続…

どの曲からはじめる? その3:調性

その1:どの曲から始める? その1 初学者の場合 - 半熟ドクターのジャズブログ その2:どの曲を始めるべきか? その2 レパートリーを増やす - 半熟ドクターのジャズブログ の続きです。 トーナリティ−(調性) 大多数の人は、アドリブを習得する際に、 …

どの曲を始めるべきか? その2 レパートリーを増やす

これも上野の国立科学博物館のみやげですな。前回 (どの曲から始める? その1 初学者の場合 - 半熟ドクターのジャズブログ )の続きです。 レパートリーを増やす: さて、初学の段階では、前回上述したように一曲一曲こなしていくわけですが「一つの曲をしゃ…

どの曲から始める? その1 初学者の場合

ええと、この前の昆虫展で買いました。メガネ置き。めっちゃ不便です。かわいいですけど。(2007年くらいに書いた記事をRefineしています。) 問:コンボの曲をやってみようと思います。 ただ、どの曲をしたらいいのか、よくわかりません。 先輩に訊いたら「簡…

練習と貯金 その2

前回(練習と貯金 - 半熟ドクターのジャズブログ)の続きです。 幸福とはなにか?不幸とは? おそらく幸福か不幸は、「お金」=技量の絶対量ではなく、収入と支出のバランスがどれだけ均衡しているかによるのではないか。 やりたいことがあるが達成する能力…

「即興」の意味

(この記事も過去記事の再掲です。初出2006) 問: ジャズの人は「アドリブ」に対してすごく価値をおいていますけど、正直言ってよくわかりません。 最高級に完成されたソロがもしあれば、それはもういじりようがないはずです。毎回アドリブで、違ったソロを…

ジャズの理論とは

(この記事は過去記事の再掲です。2006年) 問い:ジャズのアドリブをするためには理論がどうのこうのとよく言います。だけど、本によって言ってることが全然違ったり、理論だけでは説明できないとか、理論を外れなければならないとか、はっきりいってわけわ…

アドリブの構成力と一発力

アドリブってどうやるの?という後輩からの問いに対して、今まで自分なりに自分の方法論を伝えたりした時期もありましたが、ここにきて、大きな要素を見落としていたことに気が付いた。 自分は昔コード感を出したメロディメイクがきわめて苦手だった。音感の…

楽器の技量と音楽の技量と

この前に書いたことと、一部似ているけれど。 そんなわけで、楽器の技量と演奏のパフォーマンスは必ずしも平行しない。 楽器がうまければ使用する引き出しも多く、サウンドをカラフルにすることはできるが、どうしてもおさえるべき部分は、ある種の覚悟のよ…

コンディミ事始

今更ながら、コンディミをしこしことやっている。 ジャズのフレージングについては、たとえばオルタードがどうとか、コンディミがあるとか、そういう話はアドリブの勉強をしていた初学の段階でもちろんさらうわけですけれども、その後、コンディミに関しては…

”Sweet Memories”

すっかり寒くなりましたね。息抜きの話をします。 私はカラオケなどでは昭和歌謡を好んで歌うのですが (イマドキよくある、譜割りが複雑な歌を歌うと、思っていた以上に歌えなくて、我ながらがっかりします。頭の中がイマドキ仕様になっていないんですよ) …

曲をこなせるようになる、というのはどういうことか考えてみた。

曲ができる、というのはどういうことだろうか。 ジャズマンは、スタンダードな曲は、曲名さえ提示されれば、すました顔をして弾きこなす、というイメージがある。もちろんそうでなくてはいけない。 だけど、テイクゼロですっとあわせて、乱れなく演奏を収束…

どんなミュージシャンになりたいか。

先週は唐口さんのCD発売記念ライブ、木曜日は黒田卓也さん率いるNYの人達のライブをみました。 そのあと、自分が演奏する機会があったんですけれども… 結論から言えば、あまりにうまい演奏を見て、軸がぶれてしまいました。 二つのライブとも、とてもいい演…

Trombonist David Gibson performs Autumn Leaves

Trombonist David Gibson performs Autumn Leaves David Gibsonさんは、一枚だけリーダーアルバムもってますけど、小難しいこともでき、あまり踏み外さない感じの演奏で、トロンボーンっぽくない気がします。 私的にはかなり好きなタイプです。 このソロ、勝…

音量の話 そして音量が関係ない、っていう話

音量がたりない? 一月ごろ飲み会の後でいつものジャズスポットに行ったわけです。 そこに、浜崎航さんが。 (http://www.watarujazz.com/wataru/Welcome.html)新春早々に来福されてました*1。 多少べろべろ感もありつつ、突風のような演奏。 うーんさすが。 …

Songbookの比較

コード・ブックを読み比べる。 コンボで演奏する際に、元になるのはテーマとコード進行だけが書かれた汎用の曲集で、"Songbook"とか"Fake book"とかいわれているコード・ブックです。 セッションなどに行く場合、持ちネタの蓄積としてこういう本を持っていく…

セッションのこと

セッションにおいて、テーマを吹いて、Leading Soloを吹く場合に要求されるスキルと、サイドマン(私の場合は管楽器なので、管楽器の2番手・3番手)として参加する際に必要なスキルというのはまた違うような気がしている。 ところが短編小説はまずうまく書け…