半熟ドクターのジャズブログ

流浪のセッショントロンボニストが日々感じたこと

トロンボーン(もしくは金管楽器)

トロンボーンのテクニック水準:

ついこの間、2019年の時点のジャズトロンボーンの地平を改めて見渡してみた。テクニック路線の人たちのテクニック、僕が以前に思っていたよりも著しく向上しているように思う。* * *昔は、スラスラ系といえば古くはUrbie Green、その後 Bill WatrousとかC…

ピッチの話 その3 場末での話

前回の続きです。 jazz-zammai.hatenablog.jp jazz-zammai.hatenablog.jp 場末の話 ともあれ、かような歴史的で偉大なバンドにおいて、ピッチは相対的で深遠なものではある*1。 しかしアマチュアが普段場末のセッションで演奏する場合は、そういう深遠な話以…

ピッチの話 その2―ロン・カーター。音程の多義性。

積丹半島だと思う。2006年くらい。前回の続きです。 jazz-zammai.hatenablog.jp マイルス・スマイルズ 話を個人のレベルに落とすが、ロンカーターである。 ロンカーター、昔の僕は、単に「ピッチ悪いやつだな」と思っていた。 びよんびよん曖昧なビートで曖…

ピッチの話 その1 ピッチの意味論

最近の僕にとって*1、音程に悩むのは以前ほどではなくなった。楽器を始めた学生の頃は僕はあまりピッチがよくなかった。 だが、中学生・高校生、そして大学一年生くらいまで、 今思うと、ピッチが悪いころは、実に「ピッチが悪い」ということさえもわからな…

吹奏楽の桎梏〜ブラバン出身プチ侍の行く末 その2

問い:中学・高校はブラスバンドでした。大学に入ってジャズがしたくてジャズのクラブに入りましたが、アドリブがよくわかりません。 どうしたらいいでしょうか? 前回の続きです。 jazz-zammai.hatenablog.jp アドリブをするにはどうしたらいいかという話で…

吹奏楽の桎梏〜ブラバン出身プチ侍の行く末 その1

問い:中学・高校はブラスバンドでした。大学に入ってジャズがしたくてジャズのクラブに入りましたが、アドリブがよくわかりません。 どうしたらいいでしょうか? という身も蓋もない仮想質問を考えてみました。 このような疑問を持っている人は*1、全国に1…

記譜について その3

島根の病院に赴任していた時の官舎の庭です。2000年撮影。 問い:私はトロンボーンなんですが、アドリブのコピーの時の記譜のコツ、ありますか? 楽譜を書く必要に迫られるのは次のような場合です。 レコード・テープ、CD/MDなどから耳に聴いたテーマやアド…

音感の確認 Troubleshooting for Improvisation

前回 絶対音感・相対音感の話を書きました。もしアドリブができないのが悩みならば、 音感に問題がある場合は、原因を要素還元して解決できるかもしれない。 インプロヴィゼーションが演奏されるまで 我々は楽器をもって即興演奏を行う際に、脳内で以下の思…

Who is the Best Jazz Trombonist ?

さて、一応ジャズトロンボーン奏者の最高峰というと Jay Jay Johnsonと Curtis Fullerの二人ということになっている。世間ではそうなってる。これは間違いない事実だ。ところで、三人目の男は誰か? というと これが難しいよね。 Slide Hamptonを挙げる人も…

コピーが嘘くさい――呪文の詠唱

飯田橋にて 問:ソロを吹くことになったのですが、アドリブなんて出来ません。しょうがないからCDのフレーズをコピーしたんですけれども、なんか上手く吹けないっていうか、嘘くさいんです。 どうしたらいいでしょうか。 わかる。 めっちゃわかるー。 でも、…

目次

これまでの記事のインデックスを作ってみました。 緒言 このサイトをはじめるにあたって: - 半熟ドクターのジャズブログ(はじめに) アドリブについて、演奏について ジャズの演奏やアドリブについて、セッションの現場で感じたことなど。 総論 ジャズの理…

フロントが複数いる時のオブリガードは? (歌伴の時に 番外編)

前回、歌伴の話 https://jazz-zammai.hatenablog.jp/archive/2018/11/15 を書いたわけです。 これはこれで、もう少し具体例を提示しようと思っていたんですが、一回お休み。 フロントが二、三人いる時に、どう演奏すべきか、書いてみます。 前回の歌伴の時の…

歌伴の時に その1:

問: フロント楽器で歌の伴奏をする時の、コツや注意点はありますか? 私は、歌の伴奏をするのが大好きなんですが、歌伴には歌伴独特の美学があると思っています。 かなり優れたソリストなのに、歌伴では利己的な演奏で、歌の良さを殺してしまうような演奏を…

速いフレーズを吹くには? その4:

問い:速いフレーズを吹きたいんですけれども? その1:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/entry/2018/10/31 その2:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/archive/2018/11/01 その3:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/entry/2018/11/02の続きです。 (…

速いフレーズを吹くには? その3:

問い:速いフレーズを吹きたいんですけれども? その1:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/entry/2018/10/31/104041 その2:https://jazz-zammai.hatenablog.jp/archive/2018/11/01の続きです。速いフレージングをするためには速い音が吹ける「音の精度」…

速いフレーズを吹くには? その2:

その1: https://jazz-zammai.hatenablog.jp/entry/2018/10/31/104041 の続きです。 リップスラーとタンギング、どっちが重要か? では、リップスラーとタンギングは、どちらがより重要なんでしょうか? 速いフレーズでタンギングが重要なのは、トロンボニ…

速いフレーズを吹くには? その1:

問い:速いフレーズを吹きたいんですけれども? 受験生のほとんどがもっと頭が良くなりたいと思っているように、そして女性のほとんどがもっとキレイになりたいと思っているように、ジャズ・トロンボニストのほとんどが、より速いフレーズを吹きたいと思って…

呼吸の話

管楽器の呼吸の話はいろんな人が書いている。本でも、ネット上でも、沢山の情報に接することができる。 長らく管楽器をさわっている自分は、こういう情報にとかく辟易としていて、あまり重視してなかった。呼吸に関しては漫然と行い、それでよしと考えていた…

楽器の技量と音楽の技量と

この前に書いたことと、一部似ているけれど。 そんなわけで、楽器の技量と演奏のパフォーマンスは必ずしも平行しない。 楽器がうまければ使用する引き出しも多く、サウンドをカラフルにすることはできるが、どうしてもおさえるべき部分は、ある種の覚悟のよ…

楽器のうまい下手、アマとプロの汽水域にいる話

ちょっと前にTwitterでも書いていましたが。 私は、昼間は普通の仕事をしているのですが、趣味としてジャズをやっております。 アマチュアのジャズミュージシャンの実力としては、どれくらいのポジションにあるか?というのは、なかなか難しいよなあと思いま…

バラードの難しさとポジションのはなし

去年の総括にも書きましたが、最近やっとバラードに取り組もうと思えるようになった。 なにしろバラードは難しい。 私は アドリブとテーマで言うと、アドリブの方が先になんとなく形になってはいたが、テーマを歌うというのが実に苦手な男だった。いまでもそ…

音程

図らずも最近はビッグバンドに参加しており、トロンボーンのトロンボーンらしいハーモニーの追求をするわけなんですけれども、自分のピッチに反省させられることが多いです。 これがまた、あからさまなメロディーのトップノートだと合わせられるのに、二番手…

どんなミュージシャンになりたいか。

先週は唐口さんのCD発売記念ライブ、木曜日は黒田卓也さん率いるNYの人達のライブをみました。 そのあと、自分が演奏する機会があったんですけれども… 結論から言えば、あまりにうまい演奏を見て、軸がぶれてしまいました。 二つのライブとも、とてもいい演…

Trombonist David Gibson performs Autumn Leaves

Trombonist David Gibson performs Autumn Leaves David Gibsonさんは、一枚だけリーダーアルバムもってますけど、小難しいこともでき、あまり踏み外さない感じの演奏で、トロンボーンっぽくない気がします。 私的にはかなり好きなタイプです。 このソロ、勝…

音量の話 そして音量が関係ない、っていう話

音量がたりない? 一月ごろ飲み会の後でいつものジャズスポットに行ったわけです。 そこに、浜崎航さんが。 (http://www.watarujazz.com/wataru/Welcome.html)新春早々に来福されてました*1。 多少べろべろ感もありつつ、突風のような演奏。 うーんさすが。 …

The peculiarity of Jazz Trombone

ジャズ「特有」の吹き方? 問い:いわゆる「Jazz tromboneの吹き方」というのはありますか? つまり、吹奏楽の吹き方とは違ったJazz独特の奏法というものを身につけるべきなのでしょうか? これは比較的難しい問題ですね。結論からいうと「違う」ともいえる…

ジャズトロンボーンって…

骨折してしまいました。一年に二度目で、全くツキがありまへん。交通事故で、肋骨を六本。 入院中です。 治ってもしばらく楽器は吹けないかなあ… というわけで本を濫読していました。 以前にも読んだことがある 村上春樹『アフターダーク』 アフターダーク …

楽器を購入したこと

私トロンボーンを中学一年に初めて、今年37ですから、かれこれ四半世紀吹いていることになります。 大方のアマチュアミュージシャンと同じく、25年吹こうが、10年くらいだろうが、うまさはさほど関係ないですけどね。例えば社会人としての成熟ぶりというのは…

セッションのこと

セッションにおいて、テーマを吹いて、Leading Soloを吹く場合に要求されるスキルと、サイドマン(私の場合は管楽器なので、管楽器の2番手・3番手)として参加する際に必要なスキルというのはまた違うような気がしている。 ところが短編小説はまずうまく書け…

トロンボーンでテーマを演奏する際にキーが高すぎたり低すぎたりして、ちょっとずらしたい曲。(プロの演奏に準じて)

Misty (スタンダードブックではEb→Bb:Frank Rosolino Last Recording) My Funny Valentine (スタンダードブック Cm→Fm:J.J.Johnson) Stella by Starlight (Bb→Eb:J.J.Johnson "positive proof") It could happen to you (Eb→C:Carl fontana & Jiggs) 確…